病気と闘うこどもたちに寄り添う「キワニスドール」

2025年06月17日 印刷

 「キワニスドール」をご存じですか?キワニスドールは、真っ白の人型の人形に綿を詰めた、優しい手触りの人形で、病院で手術や入院をする10歳以下のこどもたちに寄附されています。顔は描かれておらず、絵具やクレヨンなどを使って好きなキャラクターや家族の顔をこどもたち自身で描き、自分だけのドールを作ることができます。また、治療や手術の説明をこどもたちにする際にキワニスドールを用いて説明することで、こどもたちの恐怖心や不安を和らげるとされています。
 この活動は世界で取組まれている活動で、福井では2015年に「福井キワニスクラブ」が設立され、活動が始まりました。団体が作製したキワニスドールは、福井赤十字病院や福井大学医学部附属病院などに寄附され、小児病棟等で活用されています。
 6月11日、福井キワニスクラブの定例会が開催されました。12名が参加し、縫製済の人形の型に綿を詰める作業を行いました。綿は袋に入っているものを一度全て出し、頭、両腕、両足、胸・お腹の部分それぞれに必要な綿の配分を考えます。配分が決まったら、綿をほぐしながら頭から順に詰めていきます。こどもが触れた時にホッと心が安らぐ心地よい柔らかさになるよう配慮しながら綿を詰めていく必要があり、想像していたより難しい作業でした。
 10年間活動に参加しているメンバーは、「こどもたちに喜んでもらいたいという想いで続けています。少しでも役に立てたら嬉しいです。」と話していました。また、活動を始めて1年のメンバーは、「友人に誘われて始めました。ドールを作ることはなかなか慣れませんが、不器用な私でも続けられる活動です。」と話していました。
 「福井キワニスクラブ」は今年で設立10周年を迎えました。まだ福井では浸透していないキワニスドールを少しでも多くの人に知ってもらい、闘病中のこどもたちに贈りたいというあたたかな想いを抱きながら、これからも活動を積極的に続けていきます。

 

 

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